タキヒヨー(株)【9982】
テキスタイル(生地)から洋服までを取り扱っているアパレル事業で、ディズニー等のライセンス事業も展開しています。
どんな会社?
名古屋を地盤とする繊維商社で、歴史は古く1751年に呉服店を創業しています。
約270年も続く老舗企業であり、ディズニー、トーマス・エドウィン等のライセンス契約を取得しているため、知らず知らずのうちにタキヒヨー製品を使っている方もおおいかもしれませんね。
一番の卸先は「しまむら」で、約3割の比率を占めています。ディズニーなどのシャツも多く販売しているのは、タキヒヨーの供給力があってこそです。
株式情報
本社は愛知県名古屋市に位置し、東証スタンダードおよび名証プレミアに上場しています。決算月は2月で、株主優待および配当金がそれぞれ出ていますので、あわせて見ていきましょう。
株主優待
権利確定月:2月 年1回
保有数 | 株主優待 |
---|---|
200株 | オリジナルギフト |
権利区分は200株なのでご注意ください。以前までは2月と8月の年2回でしたが、2月のみに改悪されました。
また、オリジナルギフトとありますが、株主が製品を選ぶわけではなくタキヒヨーの社長が選んだ「こだわりのオリジナルギフト」が贈呈されます。
そのため、何が来るのか?というお楽しみ感があります。
こちらの写真は、2021年で頂いた「魔法の撚糸 バスタオル2枚セット」です。この「魔法の撚糸」は過去に何度も贈呈されている製品なので、ある程度の製品の方向性は定まっています。繊維商社の株主優待ですから、それに因んだ製品が多めとなっています。
こちらのバスタオルは本当にふわっふわで使い心地抜群です。今治のマークがつくタオルに外れはありませんね。
2022年はエコカトラリーセットが贈呈されサステナブル商品に着目しています。素材はバンブー(竹)なので比較的安価で加工がしやすいのが特徴的です。
なお、Amazonでほぼ似たような製品が販売されており、金額は約1,300円のようです。
バスタオルは3,000円以上はするクオリティなので、2022年は外れ商品で更に年1回の改悪とダブルパンチです。
旅行の抽選券
オリジナルギフトとは別に200株以上の株主に対しての抽選券が行われます。10名の株主に対して旅行券50万円が贈呈されるという太っ腹な取り組みです。
ニューヨーク、ミラノ、香港、上海、青島、ソウルに海外支社を持っており、それを視察するという名目で行われています。
200株以上の株主は約6,400名なので、10名に選ばれる確率は640分の1(0.15625%)になります。
この確率じゃ当たるわけない。と思うかもしれませんが、宝くじで1万円が当たる確率は約1,000分の1だそうです。それと比べてみると、十二分の夢を感じられますよね。
利回り
項目 | 金額 | 備考 |
---|---|---|
1株 | ¥985 | 2022年6月時点 |
200株 | ¥197,000 | |
株主優待 | ¥1,500 | |
配当金 | ¥4,000 | |
利回り | 2.79% |
カタログギフトの価値は1,000円~3,000円程度を推移していますが、平均的な金額として1,500円と仮定しています。配当金が何とか頑張って出していますが、総利回りは約2.8%と高い部類ではありません。加えて、ランダム性の高い製品が届くため、使用する機会がない物である可能性も否定できません。
ただ、旅行の抽選券で50万円が当たるかもしれない。というのは何とも夢のある株主優待だと思いますし、似たような株主優待はあまり見かけません。
家族分で2~4名義分を30年近く保有していたら、より現実味を帯びてきそうです。まぁ、4名義となると80万円ぐらいの投資になるので、それもウーン…という感じはしてしまいますが・・・笑
業績低迷
直近10年間のスパンでは比較的安定していた株価でしたが、ここ数年の業績は芳しくなく、赤字決算が続いています。
業績修正の通知も度々出ており、固定費を削減するために東京支店を移転するなどの取り組みを行っていますが、成果としては中々出ていない状況です。固定費をどうにかしようにも、海外工場の人件費高騰と円安の影響を思いっきり受けていますので、現在の世界情勢を考えると見通しの良い展望は見えてきません。
株価も2,400円を安定的に推移していた企業ですが、現在は1,000円を下回る程の大暴落となっています。こうなってしまったら否応なく固定費の削減を実施=株主優待の改悪となる流れは致し方ないのかもしれません。
ただ、資金余力は十二分にあるため配当金等を出す体力はまだ残しています。営業利益を黒字化するために早急かつ抜本的な改革なくしてはジリ貧が続きそうです。