(株)コジマ【7513】
関東で広く展開している家電量販店の中堅企業です。業績悪化に伴いビックカメラの傘下入りしました。
どんな会社?
コジマはかつての売上高1位の家電量販店で、太陽マークがトレンドマークでした。しかし、業績悪化に伴い2012年にビックカメラが買収し、2022年を以って太陽マークを掲げる店舗が無くなりました。
ただ、地方には根強い地盤を持ち、ネームバリューも申し分がないことからコジマの名称は残っています。買収による統合メリットは仕入の統一化で、2012年に買収してから3年後の2015年に体制の構築が整いました。
低迷期
郊外を中心に展開している家電量販店で、「安値日本一」や「安値世界一」を掲げていましたが、2001年を最後に低迷期へ突入しています。
当時の評判としては以下の5点の悪評が挙げられます。
No | 内容 |
---|---|
1 | 店員の対応が悪く、サービスの質が悪い。 |
2 | 広告などのやり方が姑息すぎる。 |
3 | 中規模主体で時代の流れに乗り遅れてる。 |
4 | 中規模のため品揃えが悪い。 |
5 | 客層の新規開拓がうまく行かない。 |
と散々たる評価で、1998年に業界1位まで登り詰めた功績は、わずか4年後の2002年にヤマダ電機へ首位の座を明け渡しました。
ヤマダ電機はコジマの3倍程度の敷地面積の大規模展開を得意とし、品揃えが非常に豊富です。ヤマダ電機に行けば色々な商品を吟味できると好評で”家族全員”で足を運ぶことが多かったようです。
更にヤマダ電機はアフターサービスが良いことでも評判高いですから、それに対してコジマはそのような特色を打ち出せていたか?と問われると疑問符が付きます。
各業界の売上高
企業名 | 売上高 |
---|---|
ヤマダホールディングス | 1兆7,525億円 |
ビックカメラ | 8,340億円 |
コジマ | 2,975億円 |
※2022年1月時点調べ
コジマは低迷しているとは言っても3,000億円近くを売り上げるほどの企業です。それでも経営危機に陥ってしまうのですから、家電量販店の世界とは恐ろしいです。
ビックカメラも非常に大きな組織へと成長を遂げていますが、ヤマダホールディングスは1兆円を軽く超えた売上高を誇るマンモス企業です。
株式情報
本社は栃木県宇都宮市に位置しており、決算月は8月です。東証プライムに上場しており、株主優待の魅力は非常に高く、配当金と併せて紹介します。
株主優待
権利確定月:2月 8月 年2回
保有数 | 株主優待 | 1年以上 | 2年以上 |
---|---|---|---|
100株 | ¥1,000 | +1,000円 | +2,000円 |
500株 | ¥3,000 | ||
1,000株 | ¥5,000 | ||
3,000株 | ¥15,000 | ||
5,000株 | ¥20,000 |
区分は上表のとおり、細かく分かれていますが株主優待メインであれば100株が一番利回りが高いです。長期保有特典は一律なので更に利回りが高まります。
また、2023年7月通知に年1回→年2回に拡充され、2月権利は100株以上は一律1,000円の贈呈が加わりました。さらに2024年7月に優待の拡充が行われ、500株以上には一律3,000円に変更されました。
なお、使用制限は1,000円以上のお買物につき使用可能というだけなので、実質的に制限はなにもありません。
実際の株主優待券の3名義分です。長期保有を加味すると最大で9,000円分(8月権利分)とまとまった金額が頂けます。グループ企業であるビックカメラと合わせたらかなりの還元額です。
利回り
項目 | 金額 | 備考 |
---|---|---|
1株 | ¥1,045 | 2024年11月時点 |
100株 | ¥104,500 | |
株主優待 | ¥4,000 | 2年以上 |
配当金 | ¥1,800 | |
利回り | 5.55% |
株主優待は長期保有込みで計算していますが、総利回りは約5.5%と高還元銘柄です。
株価は株主優待拡充の発表もあってか、大台の1,000円台に突入しました。以前は600円台の攻防が行われ、株主優待の拡充の発表があっても700円を超えられなかったので、大きな転換を迎えています。それでも現時点での投資金額は約10万円なので新規参入も大いに検討しても良いと思います。
株主優待券の併用について
コジマの株主優待は4,000円でも利用価値が高いのですが、ビックカメラのグループの一員でもあることから、株主優待券の併用が可能です。ビックカメラを100株保有すると年間優待額は5,000円が頂けます。(長期保有特典含)
コジマの優待券4,000円と合算すると9,000円分です。2名義だと18,000円、3名義だと27,000円と利用価値が格段に高まります。
家電量販店には、家電以外にも医薬品・食料品・酒・ペット用品・日用品と、ありとあらゆる物が販売されているので、用途に困ることはありません。もちろん、コジマの株主優待はビックカメラでも使用可能です。両グループとも長期保有前提の銘柄として人気を博しており、優待の改悪がない限り永久ホールド銘柄です。