DM三井製糖ホールディングス【2109】
2021年4月に三井製糖と大日本明治製糖が経営統合し、DM三井製糖ホールディングス株式会社が立ち上がりました。
国内No1、No2の企業だったわけですが、それほど製糖業界が苦難な状況とも言えます。
どんな会社?
製糖という名前が付いているとおり、砂糖が主力商品です。国内最大手の三井製糖はスプーン印というブランドで、多くの市場シェアを獲得しています。
大日本明治製糖はバラ印というブランドで有名で、これらの最大手企業が経営統合したことは市場を驚かせました。
売上高
経営統合前の三井製糖は約1,100億円で、大日本明治製糖は約300億円です。No1とNo2とはいえ、売上高では大きな差が開いていました。その後、商号がしっかりと残ったのは「三井製糖」です。大日本明治製糖はDMとして略されてしまいましたが、事業規模を考えれば致し方ないのかもしれません。
砂糖ブランド
会社 | ブランド |
---|---|
三井製糖 | スプーン印 |
大日本明治製糖 | ばら印 |
日新製糖 | カップ印 |
伊藤忠製糖 | クルルマーク |
上表の4ブランドで国内シェアの7割程度を占めています。
お近くのスーパーでよく見かけるのはスプーン印という方が多いかと思います。国内トップのスーパーマーケットのイトーヨーカドーやイオンではスプーン印が置かれていますから必然的に手に取りやすいです。
正直、これらのブランドで大きな差は何ですか?問われても私には違いがほぼ分かりません。三井製糖はスーパーに置いてもらう商談能力に長けているのだと思います。
DM三井製糖が誕生したことによって、スプーン印とばら印がどのようにスーパーで陳列されていくのか気になります。
砂糖の苦難
国内の製糖事業は大幅に低迷しており、その要因の一つが糖質カットや人工甘味料が台頭してきたことが挙げられます。家庭での料理では需要の変化はないと感じますが、商品開発に使われる砂糖の減少量が大きな痛手です。
一定の需要はあるにせよ、今後の事業拡大は中々難しい立ち位置になっており、業界の再編が行われてきました。DM三井製糖の誕生に伴い、国内の砂糖事業がより安定してくれることに期待します。さとうきび農家なども含めてですね。
株式情報
本社は東京都中央区に位置しており、決算月は3月です。東証プライム市場で業界最大手の企業です。株主優待は自社商品の詰め合わせが頂け配当金もしっかりと出ていますので、それぞれ紹介します。
株主優待
権利確定月:3月 年1回
保有数 | 株主優待 |
---|---|
100株 | ¥1,000 |
200株 | ¥3,000 |
2023年に株主優待の改悪のお知らせがありました。権利区分は従前と同じ2つのままですが、100株で3,000円相当だったのが、上表のとおり100株だと1,000円相当に改悪されました。3,000円相当の商品を得るためには200株が必要となりました。
なお、1,000株の商品3,000円相当+金券2,000円分は廃止されました。個人投資家にはあまり関係のない変更点です。
100株の1,000円相当でも十二分満足できる内容となっています。200株の3,000円相当になるとボリュームもグッと上がり魅力的な内容となりますし、内容品は株主アンケートの意見が尊重されるのも良い点です。ただ、100株の贈呈品はほぼ固定です。
過去の株主優待
200株以上でも基本的に嬉しいラインナップが多いですが、キヌアやスティックシュガー系は不要に感じていました。2024年権利分からは、そういう意見が汲み取られて、贈呈品の見直しが適宜行われています。株主の意見が通りやすい優待品というのは何とも嬉しいですね。
利回り
項目 | 金額 | 備考 |
---|---|---|
1株 | ¥3,100 | 2024年8月時点 |
100株 | ¥310,000 | |
株主優待 | ¥1,000 | |
配当金 | ¥13,000 | |
利回り | 4.52% |
食料品業界としては珍しく高利回りで、配当金単体で4%超の数字を叩き出しています。優待品の内容的に100株でも十分かと思いますが、配当金が何より200株まで買い増しも十二分良いと思います。
製糖業界は縮小している市場ではありますが、食料品メーカーとしての底力は強いので末永く応援していきたい企業の一つです。