(株)ゲオホールディングス【2681】
映画や音楽のレンタル業界の大手企業ですが、リユース事業への転換が功を奏して軌道に乗っています。
どんな会社?
BDやDVD、CD及びコミックのレンタルやゲーム等の販売を手掛ける「GEO」を運営している企業です。新業態のリユース店「セカンドストリート」のブランドも展開しています。衣料や服飾系に限らず家電等々のリサイクルショップで、競合相手はメルカリ等のフリマアプリです。
リサイクルショップの強みは持参すれば、現金化がその場できるというところですから、類似企業とはいえ棲み分けが行われています。メルカリ等は確かに高く売れますが、発送梱包やメッセージのやり取り等が面倒です。数が多くなればなるほど手間が増えますから、リユース業態の市場規模はまだまだ魅力的で、売上高は伸び続けています。
会社概要
年 | 事項 |
---|---|
1986年 | 設立 |
1989年 | GEOの名称を使用開始 |
2000年 | ジャスダックに上場 |
2004年 | 東証一部上場 |
2010年 | リサイクルショップ セカンドストリートを確立 |
2014年 | モバイル専門店の出店 |
30年以上も営業しており、競合相手のTSUTAYAの設立は1983年と僅か3年の差しかありません。レンタル事業では大きな差が付きましたが、リユース事業で巻き返しを行っています。
事業転換
レンタル業界はTUTAYAの一強ですが、HuluやAmazonプライム等の動画のサブスクが台頭してきました。書籍も電子コミックが増え続け、レンタル業界は低迷期に入っています。そのため、徐々にリユース業態のセカンドストリートに事業展開を行っています。
店舗名 | 2021年 | 2016年 |
---|---|---|
ゲオ | 1,160店舗 | 1,200店舗 |
セカンドストリート | 730店舗 | 500店舗 |
5年間の店舗数の推移は上表のとおりです。メディア店であるゲオの店舗数は横ばいですが、セカンドストリートは40%強も新規出店を遂げています。今後はどのタイミングで店舗数が逆転するのか、業績の推移を注視したいですね。
なお、レンタル市場は2012年に2,200億円の市場規模だったのが2021年には700億円と70%程度近く減少しています。この社会変化にゲオは上手く事業転換が行えました。
株式情報
本社は愛知県名古屋市に位置し、決算月は3月です。株主優待はGEOとセカンドストリートで使用できる割引券が贈呈されていましたが、2024年3月権利を以て廃止されました。参考までに配当金と併せて紹介します。
株主優待(廃止済)
権利確定月:3月 9月 年2回
保有数 | 株主優待 |
---|---|
100株 | ¥2,000 |
権利区分は100株のみで、リユース店のセカンドストリートで使用できる割引券です。500円券が4枚綴りとなっており、1,000円毎(税抜)に1枚(500円)使用できます。
株主優待の中では割引券は不評ですが、ゲオの50%割引券は用途が多岐に渡るため、人気が高いです。ゲームソフト等には使用できないという制限はありますが、あらゆる物が置かれているリサイクルショップなので、お買い物に困りません。
過去の株主優待
現在はセカンドストリートの割引券のみですが、変更前はレンタル半額もしくはセカンドストリート2,000円分のどちらかを選択する仕組みでした。その後、セカストの割引券2,000円へ一本化されました。
このことからもゲオホールディングスの事業がレンタル事業のGEOからリユース事業のセカンドストリートへ転換していることが分かります。
利回り
項目 | 金額 | 備考 |
---|---|---|
1株 | ¥1,690 | 2024年7月時点 |
100株 | ¥169,000 | |
株主優待 | ¥0 | |
配当金 | ¥3,400 | |
利回り | 2.01% |
業績は2021年に赤字へ転落しましたが、早々に黒字回復して利益を出し続けています。株価は1,200円前後を低迷していたところ2023年には2,700円台まで高騰しました。その後は株主優待の廃止も伴って下降トレンドに陥りました。1,500円を下回ると再び1,200円台を推移する可能性も出てくるので、何とか踏ん張って欲しいところです。
株主優待券の割引券は利用価値が高かったので人気の銘柄でしたが、配当金のみの約2.0%の利回りです。1株30円台まで増配をしましたが、株主優待実施中は3%以上の利回りでしたので、魅力度が下がっています。
買物体験記
セカンドストリートでお買物をしてきました。掘り出し物に出会えるかお宝さがし感覚で、見るだけでも楽しいお店です。家電製品が故障した際は、6ヶ月の返金保証も付いているので安心してお買物ができます。