長瀬産業(株)【8012】
染料や合成樹脂を中心に多岐に渡る化学品を取り扱う専門商社です。業界屈指の規模を誇り、化学系専門商社としては国内トップの座に君臨しています。
どんな会社?
樹脂原料、添加剤、プラスチック、医療関連製品など、幅広い化学商材を取り扱っている専門商社です。海外の高品質な製品を日本国内で独占的に輸入・販売する総合代理店としての機能も備えており、国際的な供給網の構築に強みがあります。
直近の売上高は約8,000億円と好調です。総合商社として見れば業界内で20位前後の規模ですが、化学品専門商社の分野では国内最大手として確固たる地位を築いています。
創業当初は染料の取り扱いを中心に事業を展開していましたが、現在では製品分野や顧客層が多様化しています。各事業部が安定した売上高を確保しており、特定分野への依存が少ない分散型の事業構造となっているため、市場環境の変化にも柔軟に対応できる体制が整っています。
株式情報
本社は大阪府大阪市にあり、決算月は3月です。株主優待としては、自社が選定したカタログギフトが提供されており、保有年数に応じて選べる内容が変化します。加えて、配当金も商社らしい高水準であり、利回りの面でも魅力のある銘柄です。以下に、株主優待と配当金の詳細を紹介します。
株主優待
権利確定月:3月(年1回)
保有数 | 半年以上 | 3年以上 |
---|---|---|
100株 | ¥1,500 | ¥3,000 |
300株 | ¥5,000 | ¥10,000 |
株主優待の権利区分は2種類あり、最大利回りを目指す場合には300株の保有がおすすめです。ただし、100株でも十分な優待が受けられるため、少額投資でもメリットがあります。
2021年には株主優待制度の一部変更が行われ、内容の見直しと同時に長期保有が前提とされる設計に切り替わりました。
100株の優待額はそれまで最大5,000円相当でしたが、3,000円に減額され、約40%の縮小となっています。一方で、300株保有の優待枠が新たに設けられ、対象額は拡充。一部の投資家にとっては優待拡充とも捉えられる内容となっています。

ローストビーフ等の豪華な食品が並んでいます。
300株を保有すると、株主優待のカタログ内容が一気に豪華になります。初めから300株を目指しても、段階的に買い増していくスタイルでも魅力がある銘柄です。
今回は、うなぎ5尾に惹かれつつも、ローストビーフをはじめとしたバラエティセットを選びました。食品のラインナップが充実しているため、カタログを眺める時間も楽しみのひとつです。

利回り
項目 | 金額 | 備考 |
---|---|---|
1株 | ¥2,782 | 2025年7月時点 |
100株 | ¥278,200 | |
株主優待 | ¥3,000 | |
配当金 | ¥9,500 | |
利回り | 4.49% |
株価は2025年1月に年初来高値となる3,251円を記録しましたが、春以降の市場全体の調整局面により、7月時点では2,782円前後まで下落しています。商社・資源関連セクターは、米中貿易摩擦の再燃や原材料価格の不安定化などの影響を受け、回復には時間を要するとの見方もあります。
このような背景の中でも、配当金は増配傾向を維持しており、株主還元の姿勢は一貫しています。株主優待と配当金を合わせた総利回りは約4.5%と高水準で、インカムゲインを重視する投資家にとっては依然として魅力的な銘柄です。
短期的には株価の調整が続く可能性がありますが、事業の安定性や業界内でのポジションを踏まえると、中長期的な視点では回復の余地も十分にあると考えられます。今後の業績推移や市場環境の変化を注視しながら、段階的な買い増しを検討する価値のある企業です。